宿便

宿便とはどんなもの?宿便の基本知識とデメリットを徹底解説

宿便といえば、体の外に排泄しきれずに腸壁にこびりついている便をイメージする人が多いと思います。そのイメージは間違いではありませんが、宿便は普通の便とは全く違った色や形をしたものもあります。ここでは、宿便の色や形、宿便が溜まることで体に起こるデメリットや、宿便が溜まりやすい人の特徴などを詳しく解説します。

宿便は滞留便とも呼ばれている

宿便を一般的な辞書(大辞林)で調べると、「便秘のため、長い間腸の中に溜まっていた大便」と説明されています。しかし、宿便という呼び名は正式な医学用語ではなく、医学的には「滞留便」と呼ばれます。宿便について、専門家の中には腸は常に動いているので、便が腸の溝に溜まり続けることは難しく、医学的には宿便は存在しないという意見もあります。

 

しかし、腸内洗浄などの方法で宿便が取り除けたという事例も数多く聞かれることから、腸の健康状態によっては宿便が溜まることもあるという説もあり、滞留便と宿便は同じ意味合いで使われることが多いです。

宿便は腸の老廃物でできている

宿便は腸の老廃物が腸壁にこびりついた状態を言います。通常の便が排泄されても宿便は残り、数カ月から数年に渡って腸管にそって固く張り付いているものもあります。

便に含まれる老廃物の正体

便には、食べた物のカスや水分の他にも、腸の老廃物である剥がれ落ちた腸壁の角質や、腸内細菌の死骸などが含まれています。腸壁の角質は、皮膚と同じように古くなったものは下から押し上げられて剥がれ落ちます。

 

この腸壁の新陳代謝は約5日で細胞が入れ替わり、自然に剥がれるものと、便が通過するときの刺激で剥がれ落ちるものがあります。皮膚の新陳代謝が約1カ月であることを考えると、腸壁の新陳代謝は早いサイクルで老廃物になっていると言えます。

 

さらに、腸の中には数100兆個もの腸内細菌が存在しています。そのため老廃物になる死骸の量も多く、剥がれ落ちた腸壁の角質と合わせると、便の約50%がこれらの老廃物になります。

宿便が溜まるのは便秘の人だけではない

宿便と便秘は関係しており、便秘の人は便を肛門に運ぶための蠕動(ぜんどう)運動の働きが悪く、便の移動で宿便が剥がれることが減り、宿便は溜まりやすいです。しかし、宿便は便の摩擦だけで全てが剥がれるわけではありません。腸壁にこびりついた老廃物は、快便や下痢の人でも存在します。

宿便の形は普通便とは違う

初めて宿便を出した人は、「宿便は下痢に似ていた」という感想をもつ方も多いです。それはバナナの形やコロコロした塊の普通便とは違って、宿便の多くは黒くて細長い形をしているからです。一見すると下痢便に間違いそうな宿便ですが、水分が多く含まれて形が保てない下痢便とは全く違った特徴があります。

 

宿便の特徴的な形として、腸の形を思わせる、らせん状に薄くて長い塊がでてくる宿便もあります。その長さは30〜50cmになる人もあり、腸壁がそのまま剥がれてひだの形が確認できる場合もあります。

宿便の色には個人差がある

宿便の色には個人差があり、腸内環境や宿便が溜まっていた期間などで色に違いが出てきます。

黒い宿便

長い時間をかけて腸の中で悪玉菌が腐敗を進めて酸化した宿便は、真っ黒な色で臭いの強いものが多いです。

黄土色や茶色の宿便

便秘のない健康な体は、善玉菌が優勢となり弱酸性が保たれて黄土色や茶色の宿便になります。

緑色の宿便

驚かれると思いますが、宿便には緑色もあります。宿便には腸内細菌の死骸が含まれています。食中毒や急性腸炎などの体調不良で、腸が炎症をおこすと胆汁が酸化して、腸内細菌の死骸が緑色になり宿便にも色が付きます。

宿便が体におよぼす悪影響

宿便は腸の中に留まり続ける老廃物が原因です。体に不要なものが存在することは、気づかない間に体のほかの部分にも影響を与えてしまいます。

宿便が体に与えるデメリット

  • 痩せにくい
  • 肌荒れが治らない
  • 免疫力の低下
  • 不安や落ち込みが強まる
  • 大腸がんの誘発

宿便が大腸がんを招くメカニズム

宿便が体におよぼす最大のデメリットは大腸がんの誘発です。宿便で腸の中のスペースが狭くなると、大腸の壁の外側に憩室(けいしつ)という袋ができます。この憩室に便が溜まって炎症を起こしてしまうと、がんの発生につながる危険がでてきます。

女性は宿便になりやすい体をしている

筋肉が少ない女性に便秘が多く見られるように、宿便も女性に多いです。女性は特有の、下半身に脂肪がつきやすい体形は、骨盤に血液が溜まりやすく腸の働きを悪くします。

 

さらに、生理前になると女性ホルモンの影響で便秘になりやすいことや、出産後の女性では骨盤が広がり、腸がたれ下がりやすくなる下垂(かすい)で腸管の形が複雑になり、ゆがんだところに宿便が溜まりやすくなります。

胃腸が弱い人は宿便が溜まりやすい

胃腸が弱い人は宿便が溜まりやすいです。胃腸が弱いと、食べた物を胃で十分に消化できず腸に運ばれて、腸でも消化、吸収、排便の機能がスムーズに行えず宿便として残ってしまいます。

 

宿便を予防するためには、腹筋を使う軽い運動と、胃腸に負担をかけない食生活を続けることが重要です。暴飲暴食や偏った食事には注意して、バランスの良い食事を心がけましょう。